日増しに寒さを感じる季節となりました。 さて、江戸遺跡研究会の大会の日が近づいて参りました。第35回大会は『江戸の園芸』をテーマとし、3年ぶりの下記会場において対面方式で行います(オンラインはありません)。十分な感染対策のうえご来場いただきますようお願い申し上げます。会場である日本大学文理学部では、現在コロナ対策として入構時のチェックが行われています。大会時にもおそらく継続されていると思われ、入構時に【氏名、所属、用務先(オーバルホール)】の記入が求められます。なお、オーバルホール内での飲食は禁止となっています。2日目の昼食は、屋外や構外でお願いいたします。(学食なども休業です)
江戸遺跡の発掘調査において園芸の痕跡に触れるのはありふれた事と言えるだろう。大名藩邸においても町屋においても、不規則に広がる植物の根の痕跡を遺構として捉えて調査すること、底部に穿孔のある器を植木鉢として捉え、そこに植物の栽培や鑑賞という園芸文化を見出し、それが江戸において身近なものであったとするのは容易なことに思われる。一方で、植物を育て、鑑賞し利用するという行為を直接的に遺跡のなかに見出すことは困難である。本大会では遺跡にみる園芸の痕跡を検討するとともに、文献資料や絵画資料などの歴史資料をとおしてさまざまな身分階層、経済活動のなかでおこなわれた園芸文化にアプローチする。
1月28日(土)13:00~ | |
① 成田涼子氏(豊島区教育委員会) | 「江戸の園芸-遺跡調査から「園芸活動」を考える-」(基調報告) |
② 平野恵氏(台東区立中央図書館) | 「園芸文化研究の可能性」(講演) |
③ 宮川和也氏(株式会社CEL) | 「江戸遺跡における「植栽痕」認識の変遷と現在」 |
④ 市川寛明氏(江戸東京博物館) | 「商品植木鉢の成立と江戸の園芸市場」 |
1月29日(日)10:00~ | |
⑤ 成田涼子氏(豊島区教育委員会) | 「駒込・巣鴨の「園芸センター」発掘調査の現在」 |
⑥ 山本英二氏(信州大学人文学部) | 「文献史料からみた尾張藩江戸藩邸の園芸」 |
⑦ 追川𠮷生氏(東京大学埋蔵文化財調査室) | 「大名屋敷跡遺跡の植物栽培遺構について」 |
⑧ 田中純子氏(練馬区立牧野記念庭園) | 「江戸から明治時代にかけてつくられた植物図について」 |
-総合討論- | |