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研究集会のお知らせが届いております
拝啓、時下ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、第34回貿易陶磁研究集会の日程が以下のように決まりましたのでお知らせいたします。第34回大会は近世貿易陶磁調査研究グループとの共同開催で「近世都市江戸の貿易陶磁器」(仮題)をテーマとしております。
皆様御多忙と存じますが、奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。
貿易陶磁器を取りまく環境は、近世初期に二つの要因で大きく変化する。一点目は1610年代に日本国内での磁器生産の開始。二点目はそれまで主たる貿易陶磁生産国であった中国国内の内乱による輸出の停止である。こうした状況下日本国内の磁器需要は、17世紀中葉以降、ほぼ国産磁器によって充足されていく。
都市江戸は、徳川幕府の拠点であると共に全国の大名が居住する政治的中心であり、将軍を中心とする御成、人生儀礼、年中行事、武家間のつきあいなど武士の諸活動が行われる場でもあった。また、江戸後期には新たに海外志向の文化的高揚が指摘されている。貿易陶磁器は肥前磁器が日常什器としての需要を充足する中、江戸の中で特定の需要を持ったtoolとして認められるようになる。
本会では、近世日本の象徴的な都市江戸の出土貿易陶磁器について、遺跡出土様相の特徴とその変化について確認し、社会的、経済的、文化的背景と照射しながら諸相を考える場にしたい。また、今後アジア〜ヨーロッパを含めた広域な議論に昇華するための足掛かりとしたい。
9月28日(土) | |||
1 | 趣旨説明「近世都市江戸の貿易陶磁器」 | (10:05〜11:05) | 堀内秀樹(東京大学埋蔵文化財調査室) |
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2 | 江戸城跡出土した貿易陶磁 | (11:05〜11:50) | 水本和美(千代田区立日比谷図書文化館) |
3 | 汐留遺跡(伊達家)における出土貿易陶磁需要の変遷 | (13:00〜13:45) | 武内啓(東京都埋蔵文化財センター) |
4 | 旗本・下級武士居住地出土の貿易陶磁 | (13:45〜14:30) | 長佐古真也(東京都埋蔵文化財センター) |
5 | 長崎奉行出土遺物と貿易陶磁器 | (14:30〜15:15) | 中野高久(共和開発株式会社) |
6 | 江戸の場末にみる貿易陶磁‐豊島区の事例から‐ | (15:30〜16:15) | 成田涼子(豊島区教育委員会) |
7 | 時代を越えた貿易陶磁器 | (16:15〜17:00) | 杉谷香代子(戸栗美術館)高島裕之(専修大学) |
9月29日(日) | |||
9 | 福建・広東・江西の磁器生産 | (10:00〜10:45) | 森達也(愛知県陶磁美術館) |
10 | 臺灣考古出土十七至十九世紀貿易陶瓷的發現與研究
The Study of Trade Ceramics (17th -19th C. A.D.) from the Archaeological Remains in Taiwan. | (10:45〜12:15) | 盧泰康(台湾国立台南芸術大学) |
11 | 総合討論 | (13:30〜15:00) |
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