江戸遺跡研究会第26回大会
『江戸と木の文化』

プログラム
2013年2月2日 (土)13:00〜
13:00 「基調報告・江戸と木の文化」古泉 弘(江戸遺跡研究会 世話人代表)
13:15 「近世の森林植生と木材利用」鈴木伸哉(首都大学東京)
15:00 「年輪年代学から見た江戸遺跡出土木質遺物」 大山幹成(東北大学)・星野安治氏(奈良文化財研究所)
15:50 「江戸と林業」 脇野 博(秋田工業高等専門学校)
17:30 −懇親会−
2013年2月3日 (日)10:00〜
10:00 「近世の製材技術」 村上由美子(京都大学総合博物館)
10:50 「江戸遺跡出土木製品の概要」 越村 篤(ふじみ野市教育委員会)
13:00 結物技術の普及からみる近世社会」 鈴木正貴(愛知県埋蔵文化財センター)
13:50 「近世出土漆器の研究に関する一知見」 北野信彦(東京文化財研究所)
15:00 −討論−
16:20 閉会挨拶橋口定志
紙上報告
史料紹介大名江戸屋敷の作事における材木調達 −萩藩江戸屋敷の作事記録より−宮崎勝美(江戸遺跡研究会世話人)
江戸時代の木製品研究について原 祐一(東京大学埋蔵文化財調査室)

開催趣旨

 江戸は木造都市であり、建築物の多くは木材を素材としていた。また、生活・生業に必要な什器の多くも木材を素材としていた。木材のほかにも竹や稲藁などの草本類も多用されており、正確には植物質の素材が江戸の街と暮らしを支えていたといえる。したがって、江戸遺跡における植物質素材の遺構・遺物の研究は重要なテーマである。

 それにもかかわらず、江戸遺跡の研究が進む中で、植物質素材の遺構・遺物研究はきわめて立ち遅れている。その原因はいくつか考えられるが、 @植物質素材が腐朽や火災によって遺存しにくい A組み合わせて一つのツールとなることが多いが、出土するときはパーツであることが多く、全体像がつかみにくいことが多い。 B時間軸上の形態変化が緩慢で、年代指標となりにくい。 C遺構・遺物としての保存の問題など、取り扱いが難しい。といった点が挙げられる。

 特に木製遺物は、陶磁器・土器研究に比べて著しく立ち遅れ、等閑視されているに等しい。早急に課題・問題点を整理し、研究方法の確立に向けて準備する必要がある。今回は狭義の遺物に限定せず、江戸と木材との全般的な関わりを視野に、問題の共有化を図ることを主眼とする。そして、より的を絞った第2第3の大会の基礎としたい。

 内容として、

 @木材そのものの性質と人類との関わりおよび研究上の視点
 A林業と江戸との関わり
 B江戸の出土木製品と木工技術

を柱とするが、考古・文献・自然科学の各分野からのアプローチにより、立体的な検討を目指す。


 寒さもひとしお感じるころとなりました。会員の皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、江戸遺跡研究会の大会の日が近づいて参りました。今年も江戸東京博物館との共同開催で、『江戸と木の文化』をテーマに開催いたします。
 みなさまふるってご参加下さい。


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