第22回江戸遺跡研究会大会
『江戸をつくった土木技術』

プログラム
2009年2月7日(土)13:00〜
梶原勝氏(文化財コム)基調報告「第22回大会「江戸をつくった土木技術」開催にあたって」
北垣聰一郎氏(石川県金沢城調査研究所)「近世石垣土木技術の成立」
池田悦夫氏(文京区教育委員会)「小石川本郷周辺の自然地形と近世土木事業の実態」
仲光克顕氏(中央区教育委員会)「江戸、下町の造成−東京都中央区の遺跡から−」
石崎俊哉氏(東京都埋蔵文化財センター)「汐留遺跡の大名江戸屋敷造成に伴う土留め施設−その構造と意義−」
− 懇親会 −
2009年2月8日(日)10:00〜
毎田佳奈子氏(港区立港郷土資料館)「江戸を支える土−西久保城山土取場の発掘調査から−」
後藤宏樹氏(千代田区教育委員会)「江戸城をめぐる土木技術−盛土と石垣構築−」
大八木謙司氏(東京都埋蔵文化財センター)「掘り出された「御台場」−幕末海防施設の築造−」
森田克行氏(高槻市立しろあと歴史館)「近世をきりひらいた土木技術−胴木組と枠工法−」
鈴木一義氏(国立科学博物館)「江戸時代の測量術」
− 討論 −

大会趣旨

 中世末〜近世前期、戦国大名の抗争から織豊政権が出現し、その後徳川政権へと移り変わる。今大会では、こうした社会変貌の過程を考えるうえで「技術」の問題をとりあげたい。

 土木技術、建築技術、船舶技術、鉱山技術、金属加工技術などといった様々な「技術」がこの時期に発達するが、こうした別々の「技術」がそれぞれ関連し、それを有効に利用した人間によって発達・変貌していく。こうした「技術」が、どのような影響を地域住民にもたらしたか、また、近世中期以降の社会にどのような影響を与えたかを考えてみたい。様々な「技術」の中で、今回は「江戸をつくった土木技術」という問題に絞り、江戸という地域がどのような「土木技術」で成立したのかを中心にみていくことにする。

 視点としては、中世末から近世前期の江戸地域において「埋める」・「掘る」・「盛る」・「積む」・「削る」というキーワードを設定し、それぞれのキーワードに合致した発掘事例を採り上げる。そこでキーワードに対する土木技術のあり方を詳細にみていきながら、その土木技術が導入する前の景観、そして導入後の景観を比較する。そしてこうした土木技術を担った人々にも焦点が当てられるようにする。

 次に江戸以外の研究者の話や事例を伺いながら、江戸との比較を行う。そしてそこからみえて来るであろう近世社会がどのような社会であったのかを最後に討論したい。

江戸遺跡研究会は、第22回大会『江戸をつくった土木技術』の開催を行うことになりました。 今大会は、2009年2月7・8日(土・日)に江戸東京博物館との共催で行う予定でおります。


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